SPECIALIZED CG-R シートポスト

　昨年（2014）１２月から、SPECIALIZED ROUBAIX SL4 PRO （2014 モデル）に乗っている。速度が高くなればなるほど悪路の走破性と乗り心地が良くなるという不思議なフレームだ。

　このフレームには CG-R CARBON シートポストが標準で付属してくる。以前は Cobble Gobbler として売られていたもので、おそらくはマイナーチェンジして、なぜか略称表記になってしまった。海の向こうの人達にも呼び（あるいは読み）づらい名称だったのかもしれない。

　Cobble Gobbler は『石畳を貪り食う者』とでも訳せば良いのだろうか。振動吸収性や快適性を追及したものなのは間違いないが、標準装備ゆえに他のポストを付けたことがなく、本当に効果があるのかどうかわからない。ちょっと検索してみるとブログ記事がいくつかヒットする。しかし、換装直後のインプレッションには効果がわからないと書かれていた。なんだかな～

　そういえば、昨年 (2014) のツール・ド・フランス第５ステージ、そう Paris - Roubaix の石畳を走ったあの凄いステージで、総合優勝者のニバリが実際に乗った自転車を厚木のスペシャライズドラウンジへ見に行ったのだけれど、このシートポストは使われていなかった。やっぱり効果は薄いのかな～

 　そんな疑問を狛江の自転車店 Bicicletta SHIDO でぼそぼそ呟いてみたところ、メカの安藤くんから「これ試して見て下さい」と SPECIALIZED Tarmac に標準装備の S-WORKS CARBON シートポストを渡された (^^;

 　重量を測ってみると 205 グラムだったけれど、サドルバッグのスレ防止と高さのマーキングにテープを貼ったので、もうほんの少し軽い筈。オフセットは 20 mm だ。

　ちなみに CG-R シートポストは 255 グラムある。曲がりくねった造形とお馴染みのゼルツ振動吸収材が嵌め込まれていることを考えると、これは軽いと云って良いのではないだろうか。カタログにはオフセットの表記がないが、サドル位置を出すためにクランプ位置が S-WORKS シートポストと 5mm ずれたので 25 mm のようだ。

 　ROUBAIX に S-WORKS シートポストを装着して、近所の走り慣れた（飽きた）路面の荒れた林道にでも行けばシートポストの違いがわかるかな、などと考えながら家を出る。

　ん？……んんん？

　そんな必要はなかった。ペダルを一漕ぎしてサドルにお尻を乗せたとほぼ同時に、伝わってくる振動の違いがわかったからだ。細かな振動が来る。全然違うじゃない！

　いつもの林道へ入る。路面は ↓ こんな感じ。 

　このくらい荒れた路面だと、CG-R シートポストではほとんどお尻に伝わってこなかった振動が、S-WORKS シートポストではビリビリ来る。

　木の根っこが舗装を持ち上げてできた、よくある路面の凹凸を乗り越えるときの突き上げも、やはり CG-R とは異なる。速度の乗る下りではより顕著に分かる。

　S-WORKS シートポストを堪能して、感覚を忘れないうちにと思いつつ２週間も過ぎてから CG-R シートポストに戻した ROUBAIX で件の林道へ向かってみる。同じ道を S-WORKS シートポストで乗ったときの感覚が蘇る。

　何これ？

　と思うくらい、CG-R シートポストでは微振動が来ない。突き上げもマイルドだ。

　ROUBAIX PRO フレームもそうだが、これってゼルツが嵌っていなかったら本当にグニャグニャのフニャフニャなんじゃないかな～

　さて、CG-R シートポストと S-WORKS シートポストの重量差は約 50 グラム。ひとによっては大きな差だと云うだろうが、余り重量に拘らない自分としては、振動吸収性や乗り心地のほうを重視したい。実は S-WORKS シートポストの購入も考慮していたのだが、このまま CG-R シートポストを使い続けることにした。

　多謝 ＞ Bicicletta SHIDO ＆メカ安藤くん :-)